iDeCo・確定拠出年金の商品選びで、15年後に1,525万円の差がつきました
確定拠出年金確定拠出年金で、いちばん結果を左右したのは商品選びでした。
長く続けたことも、途中で掛金を増やしたことも効いています。ただ、商品を間違えていたら、そのどちらも効きませんでした。
自分は外国株のインデックスファンドを1本選んで、15年ほったらかしました。その結果を先に出します。
15年ほったらかして、元本の4倍。商品を選んだだけやで。
この記事の目次
- 15年、外国株インデックス1本の結果です
- 元本確保型なら、445万円とほぼ変わりませんでした
- それでも元本確保型を選んでしまう理由
- 元本確保型は、インフレで実質的に減ります
- 60歳まで引き出せない、が効いてきます
- 自分が使った選び方は、3つだけでした
- ただし、新NISAが先です
- まとめ
1. 15年、外国株インデックス1本の結果です
自分が持っているのは企業型の確定拠出年金です。会社が導入したときに始めて、そこから商品を一度も変えていません。
| 資産評価額 | 19,703,730円 |
| 拠出金累計 | 4,449,508円 |
| うち自分で出した分 | 1,035,000円 |
| 評価損益 | +15,254,222円 |
累計拠出445万円に対して、評価額は1,970万円。評価損益は1,525万円でした。
ざっくり言えば、拠出したお金の約4.4倍の評価額になっています。
選んだのは、用意されていた商品の中でいちばん信託報酬の安い、外国株式(先進国)のインデックスファンド1本だけです。商品はそこから一度も変えていません。
掛金のほうは、途中でマッチング拠出(会社の掛金に、自分の給与から上乗せして出せる制度)を使って増やしています。上の表の「自分で出した分」103万円がそれです。
15年の推移や制度の中身はiDeCo vs 新NISA、どちらを優先すべきかに書きました。
2. 元本確保型なら、445万円とほぼ変わりませんでした
ここからが本題です。
確定拠出年金の商品ラインナップには、大きく2種類あります。
| 種類 | 中身 |
|---|---|
| 元本確保型 | 定期預金・保険商品など |
| 価格変動型 | 国内株式・外国株式などのインデックスファンド |
もし自分が元本確保型を選んでいたら、どうなっていたか。
確定拠出年金の中の定期預金は、金利がほぼゼロです。商品によりますが、年0.01%前後というものが珍しくありません。15年置いても、ほとんど増えません。
つまり、こうなります。
| 選んだ商品 | 15年後 |
|---|---|
| 元本確保型 | 約445万円(拠出額とほぼ同じ) |
| 外国株インデックス | 1,970万円 |
同じ制度、同じ掛金です。違うのは、最初に選んだ商品だけでした。
差は約1,525万円です。
途中でマッチング拠出を使って掛金を増やしてはいますが、それも全部含めて拠出額は445万円です。元本確保型を選んでいても、入れた額は同じでした。
そして、15年という時間がかなり効いています。 早く始めたぶん、複利が働いた期間も長い。
ただ、その15年は元本確保型を選んでいても、同じように過ぎています。時間があっても、増えない商品なら増えません。
時間は、商品選びの差を広げるほうに働きます。
もちろん、この15年の相場が良かったからの結果でもあります。同じ商品を選んでも、別の15年なら数字は変わります。それでも、元本確保型なら445万円とほとんど変わらなかったことは動きません。
3. それでも元本確保型を選んでしまう理由
周りを見ていると、「よくわからないから元本確保型にしておいた」という人が本当に多いです。
気持ちは分かります。
- 投資の知識がない
- 会社から渡された分厚い冊子を読む気にならない
- 「元本確保」という言葉が安心に聞こえる
- そもそも、いつの間にか始まっていた
自分も、もし何も知らないまま同じ場面に立たされていたら、同じものを選んでいたと思います。リスクを取りたくないなら元本確保型、という発想は自然です。
問題は、その選択を10年も20年も見直さないことのほうです。
4. 元本確保型は、インフレで実質的に減ります
「元本が減らない」と「価値が減らない」は、別の話です。
物価が上がると、同じ100万円で買えるものが減ります。元本は1円も減っていないのに、買える量だけが減っていく。
仮にインフレ率1.5%、定期預金の金利0.1%だとすると、実質的な価値は毎年1.4%ずつ目減りします。
30年続くと、こうなります。
| 元本 | 100万円のまま |
| 実質的な価値 | 約64万円相当 |
日本は長くデフレが続いた国です。物価が上がらない時代が長かったので、「現金で持っておけば損しない」という感覚が根づきました。
その前提が変わってきています。デフレ時代に安全だったものが、インフレ時代には安全ではなくなる。商品を選んだ当時の常識が、いまも通用するとは限りません。
元本確保型は「減らない商品」です。でも自分にとっては、「ほとんど増えない商品」でした。
5. 60歳まで引き出せない、が効いてきます
確定拠出年金には、60歳まで引き出せないという制約があります。
自分はこれを制度の最大の不満だと思っています。20年以上お金がロックされるのは、かなり重い。
ただ、商品選びに関しては、この制約が逆に働きます。
| 引き出せる口座 | 下げたときに売ってしまえる |
| 確定拠出年金 | 売れない。値動きを見ても、何もできない |
売れないので、狼狽売りが起きません。制度の側から、ほったらかしを強制されます。
15年で4.4倍になったのも、腕がよかったからではありません。引き出せなかったからです。
そして、20年30年という時間があるなら、短期の値動きより、その間に価値が保てるかどうかのほうが効いてきます。
収入があって、期間が決まっている
自分がリスク資産100%にできたのは、条件が2つ揃っていたからです。
| 収入がある | 拠出できている時点で、働いています。下げても給料から入り続けます |
| 期間が決まっている | 60歳まで引き出せない。制度の側で長期が確定しています |
普通の口座なら、この2つは自分で守らないといけません。確定拠出年金は、制度がそう作られています。
だから自分は、中身を全部リスク資産にしました。現金や債券を混ぜる理由が見当たりませんでした。
収入があって、15年以上動かせない。これ以上ないくらい、長期投資に向いた条件です。
ただし、期間が短くなるほどこの理屈は弱くなります。45歳を過ぎていると、60歳まで15年を切ります。50歳なら10年です。同じようには言えません。
怖ければ、確定拠出年金の外で調整できます
「中身を全部株式にするのは怖い」と思うかもしれません。
ただ、どれだけリスクを取るかは、確定拠出年金の中だけで決める必要がありません。見るのは資産全体です。
たとえば、こうなります。
| 確定拠出年金 500万円(全部株式) | |
| 貯金 500万円 | |
| 合計1,000万円のうち、株式は | 50% |
中が100%でも、外の貯金まで含めた全体では半分です。
しかも確定拠出年金は、いちばん長く置ける器です。60歳まで動かせないのだから、ここを株式にして、動かせる外側で現金を持つほうが素直だと思っています。
資産全体でどれだけリスクを取っているかは、エクスポージャーとリスク許容度は、別のものですに株式と現金の比率を動かせる計算機を置いています。悪い年に何万円くらい減るのかが出るので、触ってみてください。
ただし、株式100%が誰にとっても正解という意味ではありません
ここまで自分の話を書いてきましたが、同じ答えになるとは限りません。
- 60歳までの残り期間
- 確定拠出年金以外の資産
- 収入
- 家計全体
このあたりを見たうえで決めることです。自分の場合は、たまたま全部が株式100%に向いていたというだけです。
6. 自分が使った選び方は、3つだけでした
商品一覧を見ても、正直よく分かりませんでした。なので、こう絞りました。
① 時価総額加重平均のインデックスファンドに限る
インデックスファンドの中でも、時価総額加重平均を採用しているものに絞りました。S&P500、全米株式、全世界株式などです。
時価総額加重平均は、会社の規模に応じて、組み入れの比率が自動で決まる仕組みです。大きくなった会社の比率は自然に上がり、小さくなった会社は下がっていきます。
つまり、中身の入れ替えを自分でやらなくていい。15年ほったらかせたのは、これが大きいです。
② その中で、いちばん信託報酬が安いものにする
信託報酬は毎年かかり続けます。長く持つほど効いてきます。中身がほぼ同じなら、安いほうを選ぶだけです。
信託報酬の差がどれくらい効くかは信託報酬をなめたらあかんに実額で書きました。
③ 1本にする
複数持つと、バランスを見たくなります。1本なら、見る必要がありません。
絞り込みは3つだけ。あとは15年、何もしていません。
なお、自分は日本債券インデックスで失敗しています。よかれと思って入れたものが、結果的に足を引っ張りました(→日本債券インデックスで失敗した話)。
7. ただし、新NISAが先です
商品選びの話をしてきましたが、その前に順番の話があります。
自分の考えでは、新NISAを先に埋めるほうが優先です。
| 非課税枠 | 引き出し | |
|---|---|---|
| 新NISA | 生涯1,800万円 | いつでも可能 |
| 確定拠出年金 | 掛金の上限まで | 60歳まで不可 |
新NISAが1,800万円まで非課税で使えるようになった以上、60歳まで動かせない器を先に埋める理由が薄くなりました。
この順番の話はiDeCo vs 新NISA、どちらを優先すべきかに詳しく書いています。
ただし、会社の企業型DCで掛金が自動的に出ている人は、順番を選ぶ余地がありません。その場合は、入っている以上、中の商品だけは見ておくほうがいいと思います。
8. まとめ
- 15年、外国株インデックス1本。 445万円が1,970万円になりました
- 元本確保型なら、445万円とほぼ変わりませんでした。 差は約1,525万円です
- 元本確保型は「減らない商品」です。ただ自分にとっては、ほとんど増えない商品でした。インフレが続けば実質的に目減りします
- 60歳まで引き出せない制約が、商品選びでは逆に働きます
- 収入があって、60歳まで動かせない。 長期投資の条件が制度で揃っているので、中身は全部リスク資産にしました
- リスクの量は資産全体で決まります。確定拠出年金の中が100%でも、外の貯金を含めれば比率は下がります
- 自分の絞り込みは3つだけ。 時価総額加重平均のインデックス/いちばん安い信託報酬/1本にする
確定拠出年金は、商品を一度選ぶと、何十年もその影響が続きます。
いま入っている人は、自分が何を選んでいるかだけでも見てみてください。選んだ記憶がないなら、たいてい元本確保型になっています。
これは自分の運用記録であって、特定の商品を推奨するものではありません。相場が良かった15年の結果であり、同じ期間が繰り返される保証はありません。株式インデックスは値動きが大きく、元本を割る期間もあります。判断はご自身でお願いします。