新NISAや投資で確定申告は必要か:口座の種類別に整理します

新NISA・制度

「投資をしていると、確定申告が必要ですか?」

結論から言うと、口座の種類によって変わります。

そして先に言っておくと、多くの人は不要です。新NISAでオルカンを積み立てているだけなら、何もしなくていい。

ただ、自分は毎年やっています。しかも4年連続で、税金が戻ってきています。その理由も含めて、整理します。

つみたていぬ

新NISAだけなら、確定申告はいらないよ。
でも僕は毎年やってる。お金が戻ってくるからね。

この記事の目次

  1. 口座の種類と確定申告の必要性
  2. 新NISA口座は確定申告不要
  3. 特定口座(源泉徴収あり)も基本不要
  4. 特定口座(源泉徴収なし)・一般口座は必要
  5. それでも自分は、毎年やっています
  6. 損益通算で、還付が10万円になった年
  7. まとめ

口座の種類と確定申告の必要性

口座の種類確定申告理由
新NISA口座不要利益が非課税のため
特定口座(源泉徴収あり)基本不要証券会社が税金を代行徴収
特定口座(源泉徴収なし)必要自分で申告する必要あり
一般口座必要自分で計算・申告が必要

ほとんどの人は、新NISA口座か特定口座(源泉徴収あり)を使っているはずです。その場合は確定申告は基本不要です。


新NISA口座は確定申告不要

新NISA口座で出た利益(売却益・分配金)は、非課税です。

通常、投資の利益には約20パーセントの税金がかかります。でも新NISA口座内の利益はゼロ。だから確定申告も不要です。

新NISAでオルカンを積み立てているだけなら、税金のことは一切考えなくていい。これは新NISAの大きなメリットの一つだと思います。


特定口座(源泉徴収あり)も基本不要

特定口座の「源泉徴収あり」を選んでいる場合、証券会社が税金の計算・徴収・納付を、すべて代わりにやってくれます。

利益が出たら、自動的に税金が引かれる仕組みです。だから確定申告は基本的に不要。

自分も特定口座は「源泉徴収あり」で設定しています。投資を始めるとき、ここは何も考えず「源泉徴収あり」を選んでおけば大丈夫です。


特定口座(源泉徴収なし)・一般口座は必要

「源泉徴収なし」や一般口座の場合は、自分で年間の損益を計算して、申告する必要があります。証券会社は年間取引報告書を出してくれますが、税金の計算・納付までは代行してくれません。

なお、申告が必要かどうかの細かい条件は、給与所得の有無や、他の所得の状況によって変わります。詳しくは国税庁のサイトや税務署で確認してください。

特別な理由がなければ、口座開設時は特定口座・源泉徴収ありを選ぶことをおすすめします。(口座開設の手順は楽天証券の口座開設手順にまとめています)


それでも自分は、毎年やっています

ここまで「基本は不要」と書いてきました。でも自分は、2021年ごろから毎年、確定申告をしています

きっかけは、選んだわけではありませんでした。勤務先の持株会が解散したんです。そのせいで自分で申告せざるを得なくなり、強制的に確定申告デビューしました。

そして一度やってみたら、毎年やる理由があることに気づいたんです。

自分が申告しているのは、この4つです。

申告するもの理由
外国税額控除VYMの分配金は、米国と日本で二重に課税される。取り戻すため
ふるさと納税確定申告をすると、ワンストップ特例が使えなくなるため
医療費控除家族の医療費が一定額を超えた年に
損益通算複数の証券口座をまたいで、損と利益を相殺するため

外国税額控除が、いちばん大きな理由です。VYMのような海外ETFを持っていると、分配金にアメリカで約10パーセント課税され、さらに日本で約20パーセント課税されます。この二重取りを取り戻す手続きが外国税額控除で、自分の場合は年4万円ほど戻ってきます(戻る金額は、保有額や分配金の額によって変わります)。詳しくはVYMで確定申告したら4万円戻ってきた話に書きました。

やりたくてやっているわけではなく、VYMを持っているから、しゃーなしやっています

ふるさと納税は、ここに巻き込まれる形です。ふるさと納税だけなら「ワンストップ特例」で申告不要にできますが、確定申告をするとワンストップは無効になるので、まとめて申告する必要があります。

ちなみに、ふるさと納税自体は、やっておいて損はないと思っています。自己負担2,000円で返礼品が受け取れる制度なので、住民税を納めている人には、多くの場合メリットがあります。インデックス投資家たるもの、コストには目を向けないといけませんよね。


損益通算で、還付が10万円になった年

そして、いちばん驚いたのが損益通算です。

ある年の確定申告をしていて、「なんか今年、やたら戻ってくるな」と思ったんです。例年は3〜4万円ほどなのに、その年は10万円を超えていました

理由は、損益通算でした。

損益通算とは、複数の証券口座の損と利益を、合算して計算し直すことです。A証券で50万円の損、B証券で50万円の利益が出た場合、放っておくとB証券の利益に対してだけ税金が引かれています。でも確定申告で合算すれば、損益はゼロ。引かれすぎた税金が戻ってきます

自分の場合はこうでした。

内容
SBI証券日本債券インデックスを売却して、約55万円の損失
楽天証券利益が出ていて、税金が源泉徴収されていた

この55万円の損失を、他の利益と通算しました。結果、還付額は101,415円。例年の2〜3倍です。

面白いのは、損した記憶がなかったことです。当時のメモには「30万の損」と書いてあり、自分では30万円だと思い込んでいました。ところが確定申告の書類を見返すと、正確には546,327円。25万円も多かったんです。(この失敗談は日本債券インデックスで55万円損した話に書きました)

損した年こそ、確定申告をする価値がある。 これは覚えておいて損はないと思います。

なお、その年に相殺しきれなかった損失は、翌年以降3年間くり越せます(繰越控除)。これも確定申告をしないと使えない仕組みです。


まとめ

状況確定申告
新NISAだけで積立不要
特定口座(源泉徴収あり)のみ基本不要
特定口座(源泉徴収なし)・一般口座あり必要
海外ETF(VYMなど)を保有やると外国税額控除で戻ってくる
複数口座で損と利益が出たやると損益通算で戻ってくる

ここまで「やると戻ってくる」という話を書いてきました。でも、20年やってきた正直な感想を言います。

確定申告は、やらないに越したことはありません。

理由はシンプルで、めんどくさいからです。年に1回しかやらないので、毎年やり方を忘れます。書類を集めて、入力して、「これで合ってるんかな」と不安になりながら送信する。自分の場合、毎年3時間ほど溶けます。

だから、これから投資を始める人には、はっきり言っておきます。新NISAでオルカンを積み立てるだけなら、確定申告は一生しなくていい。それがいちばん楽で、いちばん賢い。できるだけ避けましょう。

自分が毎年やっているのは、VYMという海外ETFを持ってしまったからです。あれを持っている限り、外国税額控除からは逃げられません。しゃーなしです。

ただ——ひとつだけ、フォローしておきます。

人生のどこかで、確定申告をやることになる確率は、けっこう高いです。自分の場合は持株会の解散でした。他にも、医療費が多くかかった年、ふるさと納税をたくさんした年、家を買った年(住宅ローン控除)、副業を始めたとき。投資と関係ないところで、突然その日は来ます

そう考えると、税金が戻ってくる年に一度やってみて、練習しておくのは悪くないかもしれません。得をしながら覚えられるので。

やらなくていいなら、やらない。でも、いつか来るなら、得する年に練習しておく。それくらいの距離感が、ちょうどいいと思っています。


投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の税務アドバイスを提供するものではありません。詳細は税理士等の専門家にご相談ください。

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