2,000万の企業型DC、退職したらどうする?自動移換の罠とiDeCo移換の段取り

退職したら、会社の確定拠出年金(企業型DC)、どうなるんやろう。

ちょっと調べてみたら、これがけっこう厄介で。退職してから手続きせず放置すると、勝手に現金化されて、塩漬けにされる仕組みがあるんです。知らないと、普通に損する。

すぐ辞めるわけじゃありません。でも、退職ってことも視野に入る段階に来た時、資産管理の面で準備しておくにこしたことないでしょう。

自分のメモ用として整理しておきます。

ひとつだけ先に。iDeCo周りは、制度がしょっちゅう変わります。 手数料も、受け取れる年齢も、控除のルールも、けっこうな頻度で改定が入る。なので、この記事はあくまで”頭の整理メモ”として読んでください。実際に動くときは、必ず最新の情報を自分で確認するのが大事です。

同じように「確定拠出年金の出口も考えなきゃ」という人の、ちょっとした下調べになれば。

つみたていぬ

退職したら、会社の確定拠出年金(DC)どうなるか知ってる?
ほっとくと勝手に現金化されて、塩漬けにされちゃうで。失敗しない、段取りを調べてみたよ。


この記事の目次

  1. まず、今の自分の確定拠出年金
  2. 退職すると、確定拠出年金はどうなる?
  3. 移す前に、移管先を決めておく(たぶん楽天証券)
  4. 移すとき、投資信託は「いったん全部売られる」
  5. 移したあと、積立はどうする?(少額でも続ける)
  6. まとめ:自分の場合はこうする予定

まず、今の自分の確定拠出年金

とりあえず、公開はい、どーん。

確定拠出年金の資産残高

私が持っているのは、企業型確定拠出年金(企業型DC)です。会社が導入したときに始めて、ずっと外国株式(先進国)のインデックス1本——その中でいちばん手数料が安いやつ——で運用してきました。インデックスの凄みを感じるやん。(15年の実績はこちらに詳しく書いてます)

会社拠出のぶんは毎月1.4万円の拠出。 マッチング拠出(会社の掛金に、自分の給与から上乗せして出せる制度。上乗せ分は所得控除になる)も使っていて、自分のぶんは毎月約1.4万円を拠出しています。

会社拠出のぶんを見れば分かるとおり、まあ、ごく普通のサラリーマンです。特別な高給取りでも何でもない。それでもほったらかし15年で、ここまで来ました。

——で、冒頭の問いに戻ります。この2,000万、もし退職したら、どうなるんでしょう。

退職すると、確定拠出年金はどうなる?

まず大前提から。退職で企業型DCを抜けると、資産の移し先は次のように分かれます。

退職後の状況移し先
転職先に企業型DCがあり、そこへ移す場合転職先の企業型DC
それ以外(DCなし・もう働かない・個人事業主になる)iDeCo(個人型)

ざっくり、「転職先にDCの箱があればそっち、なければiDeCo」。この記事は、後者=iDeCoに移すケースで話を進めます。

さて、ここからが本題。

会社を辞めると、企業型DCは「資格喪失」になり、自分で資産を移す手続きが必要です。ここに、6か月という期限があります。

問題は、この6か月を放置したとき

手続きをしないまま6か月たつと、資産は国民年金基金連合会へ「自動移換」されます。これが、地味に効いてくる。

  • 現金化されて、運用がストップする … いちばん大きいのはこれ。株や投信のまま移るんじゃなく、いったん売られて”ただの現金”になります。その間、相場がどれだけ上がっても1円も増えない。何年も塩漬けにされたら、その逃した運用益は取り返せません。
  • 加入年数にカウントされない … 確定拠出年金は加入年数で受給開始年齢が決まりますが、自動移換中はその年数に算入されません。人によっては、受け取れる年齢が後ろにずれます。(私の場合はすでに加入年数が15年あるので、ここは問題なし)
  • 退職所得控除の年数も増えない … 一時金で受け取るときの「退職所得控除」も加入年数で決まります。自動移換中はここも算入されず、出口でもらえる控除(=節税)が減ってしまう。

(手数料も多少割高にはなりますが、こっちは誤差の範囲。問題はお金が”運用されない時間”と、“年数のカウントが止まる”ことです。)

つまり、「手続きが面倒」よりも、「ほっといたら勝手に売られて、塩漬けにされる」——ここが本当にえぐい。退職という、ただでさえバタバタする時期に、6か月なんてあっという間。気づいたら自動移換、はありえる話なんです。

しかも厄介なのが、会社は「辞めました」という届けはしてくれても、iDeCoへ移す手続きまではやってくれないこと。移換先を選ぶのも、申し込むのも、完全に自分まかせ。「会社がやってくれるだろう」と思っていると、まさにこの罠にハマります。

私のように金額がかなり積み上がっていた場合(退職時にはさらに増えてる可能性あり)のミスは、泣くに泣けません。

だからこそ、慌てないように”先回り”しておきたい。ここから、その段取りです。

移す前に、移管先を決めておく(たぶん楽天証券)

自動移換の罠を避けるコツは、シンプルです。辞めてから慌てて探すんじゃなく、先に”移し先”を決めておく。 これだけで、6か月の落とし穴はほぼ回避できます。

しかも、です。この移換、手続きが終わるまで1〜2か月半くらいかかるんです。書類を出して、国民年金基金連合会の受付を経て、ようやく資産が動く。つまり「6か月の猶予」とはいっても、手続きの時間を引いたら、のんびりできる期間はもっと短い。 だからこそ、せめて金融機関だけでも、辞める前に決めておきたいわけです。

※ ちなみにこの国民年金基金連合会、iDeCoそのものの運営主体でもあります。楽天やSBIはあくまで”窓口”で、実際の加入主体はこの連合会。だから移換にはこの胴元の審査が挟まって、時間がかかるわけです。放置したときの”塩漬けの自動移換”とは別ルートなので、そこは混同しないように。

で、移し先=iDeCoをやる金融機関。ここはもう、楽天証券かSBI証券の二択でいいと思っています。両方とも運営管理手数料が無料で、低コストのオルカン・S&P500がちゃんと選べるから。この2社なら大きく外しません。

じゃあ、楽天とSBIで何が違うのか。調べてみました。

楽天証券SBI証券
運営管理手数料0円0円
商品数約38本約38本
オルカン楽天・プラス・オールカントリー(約0.056%)eMAXIS Slim オルカン(約0.058%)
S&P500あり(低コスト)あり(低コスト)

正直、ほぼ差がありません。 手数料はどっちもタダ、オルカンもS&P500も激安で揃ってる。運用面の優劣は、ほとんどない。

じゃあ何で決めるか。「メイン口座と揃えられるか」です。

私はメインが楽天証券です(証券口座を3つに分けた失敗で書いたとおり、今は楽天証券1本に集約してます)。だったら、iDeCoも楽天にすれば、NISA・特定口座・iDeCoが同じ画面で一望できる。 それと、将来のiDeCo売却時の資金移動も一元管理できるので、絶対にラクでしょう。

——という理由で、私の移し先はたぶん楽天証券です。

※ ひとつ補足。楽天iDeCoのオルカンは「楽天・プラス・オールカントリー」で、NISAで使ってる「eMAXIS Slimオルカン」とは別商品です。中身もコストもほぼ同じなので、実用上の差はありません。

で、退職後に実際やることは?(ざっくり5ステップ)

辞めたあとの手続きは、こんな流れです。

  1. 「加入者資格喪失のお知らせ」が届く … 退職後しばらくして、DCの記録機関から郵送。
  2. 移管先の金融機関を決める(私は楽天証券)… ここを決めておく。
  3. その金融機関に、iDeCo口座開設+移換を申し込む … 「企業型DCからの移換」を選んで申込。
  4. 書類を出す … 基礎年金番号・資格喪失のお知らせ・本人確認書類など。
  5. 審査を経て、移換完了(1〜2か月半)。

あくまで「自分で金融機関に申し込む」こと。会社はやってくれないし、これをやらない限り何も進まない。だから——移管先だけは、先に決めておく。

移すとき、投資信託は「いったん全部売られる」

ここ、意外と知られていないんですが、大事なポイントです。

移換のとき、DCで持ってる投資信託はそのまま移せませんいったん全部売却されて現金になり、iDeCo側で改めて買い直す——という流れになります。(税金はかかりません。非課税の器の中なので、ここでの売却益に課税はなし。)

なお、この売却のタイミングは自分では選べません。事務手続きのスケジュールで自動的に現金化されます。

あと、地味に嫌なのがもうひとつ。売って買い直すと、これまで積み上げてきた損益(+〇〇%)が、表示上リセットされるんです。長年リスクをとって育てた含み益の数字が、ゼロからのスタートに戻る。実害はないんですが、あの数字が消えるのは、やっぱり気分のいいものじゃない。まあ、甘んじて受け入れますけど。

そして——これが実は、いちばんのリスクかもしれません。 現金になっている間(移換の1〜2か月)は、市場から完全に離れます。その間に相場が上がれば、まるごと取り逃す。しかも運用額が大きいほど、影響もデカい。 仮に2,000万が市場の外にある1〜2か月で、相場が数%動いただけで、それだけで百万円単位で変わってくる。タイミングは選べないので、ここは本当にどうしようもない。これも、甘んじて受け入れるしかない部分です。

で、現金になった資産は、iDeCoで改めて買い付けます。私は楽天証券なので、「楽天・プラス・オールカントリー」を買い直す流れ。SBIの人なら「eMAXIS Slimオルカン」ですかね。

退職のタイミングって、「残りの運用期間も短くなるし、ちょっと違う商品にしようかな」と色気が出るかもしれません。でも——よっぽどのことがない限り、ここもオルカン。要らんことはしない。 買い直すときに銘柄をいじりたくなる気持ちをグッとこらえて、淡々とオルカンに戻す。そう心に決めて、私は実行します。

移したあと、積立はどうする?(少額でも続ける)

iDeCoに移したあと、選択肢は2つあります。

  • 掛金を出し続ける(加入者)
  • 掛金は出さず、運用だけする(運用指図者)

退職して収入が減るなら、「もう掛金は出さず、運用だけでいいか」と思いがちです。でも、私は少額でもいいから、掛金を出し続けるつもりです。理由が2つあります。

理由①:掛金が所得控除になる

iDeCoの掛金は、全額が所得控除になります。退職後も多少なりとも収入(再雇用やバイト、事業収入など)があるなら、掛金を出すぶん、税金が安くなる。これは普通にお得です。

理由②:これが地味に大事 ── 出口の控除が伸びる

ここが今回いちばん伝えたいところ。

iDeCoを一時金で受け取るときは、退職金と同じ「退職所得控除」の計算式を使います。ただし式の「年数」の部分には、iDeCoの加入年数(掛金を出した年数)が入ります。

加入年数(掛金を出した年数)退職所得控除額
15年40万 × 15 = 600万円
20年40万 × 20 = 800万円
25年800万 + 70万×5 = 1,150万円
28年(私が60歳まで続けた場合)800万 + 70万×8 = 1,360万円
30年800万 + 70万×10 = 1,500万円

ポイントは、20年を超えると、1年あたりの控除が40万円→70万円に増えること。後半ほど、1年の重みが増していきます。

私の場合、企業型DCを始めて今15年。このままiDeCoに移して60歳まで掛金を出し続ければ、加入28年。退職所得控除は1,360万円まで伸びます。つまり、受け取るとき1,360万円ぶんは、まるごと非課税で引けるということ。

ところが——「運用だけ(運用指図者)」の期間は、この年数にカウントされません。 掛金を出していないと、年数のカウントが止まる。せっかく伸ばせる控除枠が、伸びないままになる。

だから私は、たとえ月5,000円でも、掛金は出し続けるつもりです。月数千円の拠出が、将来の数百万円の節税につながる——これが「少額でも続ける」の正体です。

まとめ:自分の場合はこうする予定(退職するとき)

まだ辞めるわけじゃありませんが、調べた結論として「退職したらこう動く」を、表にまとめておきます。未来の自分用メモです。

やること自分の予定
① 移管先楽天証券(NISA・特定口座と一元管理)
② 動くタイミング退職後すぐ。手続きに1〜2か月かかる、6か月がリミット
③ 移したあとの商品オルカン(楽天・プラス・オールカントリー)
④ 積立少額で続ける。退職所得控除の年数を伸ばして節税できる
⑤ 受け取り方一時金と年金を組み合わせて節税予定 → 別記事でじっくり

とりあえず、④(少額でも積立を続ける)までをやっとけば、有利な状況は作れる。⑤の受け取り方は、また別の記事で(自分用ですが)。

ここまで調べてきて、正直な感想を。

iDeCo(確定拠出年金)、やっぱりややこしい。 節税+積立の効果は抜群です。でも、制度変更は多いし、退職・再就職での移換、出口戦略、60歳までの資金ロック……と、考えることが多すぎる。

同じ非課税制度でも、いつでも引き出せてシンプルな新NISAと比べると、見劣りする。

だから——ほとんどの人は、まず新NISAで十分かもしれません。よく分からないまま下手にiDeCoを始めるくらいなら、新NISAを優先するほうがよい。「下手なiDeCo、始めるべからず」、くらいに思っています。

資産形成にガチで取り組む人には、節税と非課税枠を上積みできるありがたい制度。でも、もっと使いやすくなってほしい。今後も、制度のバージョンアップを願うばかりです。

最後にもう一度。この記事は、調べた時点での”自分用メモ”です。 何度も書きますが、iDeCo周りは制度変更がとにかく多い。手数料も、年齢も、控除のルールも、しょっちゅう変わります。実際に動くときは、必ず最新の情報をご自分で確認してください。

投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。

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