不動産投資をやらない理由は「よくわからん」です

インデックス投資

「不動産投資、やらないんですか?」

たまに聞かれます。

やりません。よくわからないからです。

これだけだと身も蓋もないので、インデックス投資を20年続けてきた人間が、なぜ不動産に手を出さなかったのかを書いておきます。

つみたていぬ

わからんもんには、お金を置かない。

この記事の目次

  1. 不動産投資は否定しません。むしろ憧れています
  2. 利点は、4つとも本物です
  3. それでもやらない理由は「よくわからん」です
  4. 特に苦手なのが2つあります
  5. 自分が死んだときのことを考えると、具合が悪い
  6. 自分がコントロールできる範囲でしかやりません
  7. 向こうからやってくる儲かる話に、いい話はない
  8. やりたいのは、世帯資産の最大化と最適化
  9. まとめ

1. 不動産投資は否定しません。むしろ憧れています

先に言っておくと、不動産投資を悪いものだとは思っていません。

むしろ、やってみたい投資のひとつです。

夢の賃料暮らし。働かなくても毎月家賃が入ってくる。 憧れます。

それに、ちょっとカッコよく言ってみたいんです。

ペーパーアセットの利回りが◯◯パーセントで、ハードアセットの、あ、ハードアセットというのはね、不動産とかのことなんやけど

こういうのを、したり顔でやりたい。なんとなく地主っぽい感じを出したい。

そういう気持ちは、けっこうあります。

憧れがないわけではありません。むしろ、あります。


2. 利点は、4つとも本物です

一般に言われる不動産投資の利点は、だいたいこの4つです。

中身
定期的な収入毎月、家賃が入ってくる
レバレッジローンを使って、自己資金以上の額を動かせる
節税減価償却などで、課税される所得を圧縮できる
インフレ耐性物価が上がれば、家賃も物件価格も上がりやすい

これはどれも本物だと思っています。

実際、不動産専業の人もいますし、インデックス投資と不動産を組み合わせている人もいます。うまくいっている人の資産の加速には、目をみはるものがあります。

インデックス投資だけでは、あのスピードは出ません。


3. それでもやらない理由は「よくわからん」です

ではなぜやらないのか。

よくわからないからです。

難しそうで、めんどくさそうで、借金が怖い。理由を並べればいくらでも出てきますが、まとめるとここに落ち着きます。

しかも、調べればうまくなれる気がしません。

インデックス投資は、調べれば調べるほど、やることが減っていく投資でした。最後に残ったのは、オルカンを積み立てて放っておくことだけです。

不動産は逆に見えます。調べるほどやることが増えていく。 物件を探して、価格を交渉して、管理会社を選んで、入居者を入れて、修繕して、出口を考える。

持っているだけではダメそうなんです。

そのうえで、もし失敗したときのことを考えると、動けません。

よくわかっていないので、そんな怖いものはやめておきましょう。

これが結論です。


4. 特に苦手なのが2つあります

「よくわからん」の中身を分けていくと、自分が特に苦手なのは2点でした。

流動性が低い

すぐに売れません。

株なら、売りたいと思った日に売れます。オルカンでも数日で現金になります。

不動産はそうはいきません。売ると決めてから現金になるまで、何ヶ月もかかる。しかもいくらで売れるかは、そのときになってみないとわかりません。

20年やってきて、暴落も何度か通りました。そのたびに効いていたのは、売ろうと思えばいつでも売れるという状態そのものでした。

実際には売っていません。売れるとわかっているから、売らずに済んだというほうが近いです。

再現性がない

こちらのほうが、自分にとっては大きい問題です。

オルカンは、誰が買っても同じリターンです。

同じ日に同じ額を買えば、隣の人と自分の結果は同じになります。当たり前のようですが、これはすごいことだと思っています。うまい人と下手な人の差が、ほとんどつきません。

不動産は逆です。同じ物件が、1つもありません。

立地も、築年数も、値段も、入居者も、全部違う。だから、うまくいった人の話を聞いても、そのまま真似できない。成功した本人でさえ、次の物件で同じ結果になるとは限らないはずです。

目利きができたら買っている、という話なんです。

そして自分には、その目利きがありません。というより、インデックス投資は目利きが要らないから続いたのだと思います。


5. 自分が死んだときのことを考えると、具合が悪い

流動性の話と重なりますが、ここは分けて書いておきます。

40代になって、ある程度の資産がある状態になりました。そうなってから、ときどき考えることがあります。

自分が急に死んだら、どうなるのか。

資産が不動産に偏っていたら、これは抜群に具合が悪いです。

分けられません

細かい話は省きますが、相続ではそこにある資産をどう分けるかを決めることになります。

現金なら分けられます。株も、売って分けることも、そのまま分けることもできます。

不動産は分けられません。 建物を半分にはできない。売ろうにも、すぐには売れません。

うちは子どもが3人います。分けられないものが残ると、そこで止まります。

残された人が、詳しいとは限りません

もうひとつ、こちらのほうが心配です。

みんながみんな、投資を勉強しているわけではありません。

うちの場合、嫁はオルカンを積み立てて、あとは見ないというやり方をしています。それで十分うまくいっています。

でも、不動産が残ったらそうはいきません。

「この不動産、どうすんねん」から始まって、いくらが適正なのかもわからないまま処分することになります。足元を見られると思います。 詳しくない人が急いで売るときに、いい値段がつくとは考えにくい。

これは嫁に限った話ではありません。自分だって、いま急に不動産を渡されたら同じことになります。

一番困らないのは、現金と株

そう考えていくと、残された人が困らないのはここに落ち着きます。

  • 現金
  • すぐに換金できる株などのペーパーアセット

わかりやすい。分けやすい。管理しやすい。

これです。


6. 自分がコントロールできる範囲でしかやりません

20年やって残ったやり方は、これでした。

  • 過度なリスクは取らない
  • 自分がコントロールできる影響の範囲で動く
  • コツコツやる

真ん中が一番大事です。

インデックス投資で、自分で決められることはかなり多いです。

いくら積み立てるか、何を持つか、いつまで続けるか。

相場だけは、自分ではどうにもできません。

不動産はそうではありません。入居者が出ていくかどうか、隣に何が建つか、修繕にいくらかかるか。自分の手の外にある変数が、一気に増えます。

そしてもうひとつ。このやり方には再現性があります。

自分がやったことは、誰でも同じようにできます。証券口座を開いて、オルカンを積み立てて、続けるだけです。そこが気に入っています。

自分には、コツコツが合っていました。


7. 向こうからやってくる儲かる話に、いい話はない

これも書いておきます。

ワンルームマンションの営業電話が、よくかかってきます。

中身を聞くまでもなく、イメージが良くありません。これも不動産に苦手意識を持った理由のひとつです。

20年やってきた経験から言うと、向こうからやってくる儲かる話に、いい話はありませんでした。

そして、ここが一番言いたいところです。

インデックス投資は、向こうからやってきたことが一度もありません。

誰も勧めてきませんでした。銀行は別の商品を勧めてきましたし、証券会社から電話が来たこともありません。

自分で調べて、自分で見つけたものです。口座を開いたころは、周りに証券口座を持っている人すらいませんでした。

勧められて始めたものではない。ここが一番大きいと思っています。


8. やりたいのは、世帯資産の最大化と最適化

ここまで書いてきて、自分がやりたかったことがはっきりしました。

世帯資産の、最大化と最適化です。個人ではなく、家族単位で考えたときの話です。

最大化のほうは、みんな狙っていると思います。増やしたいのは同じです。

違うのは、最適化です。

  • 誰が管理するのか
  • 自分がいなくなったあと、どうなるのか
  • 家族の誰が、どこまで理解しているのか

ここは家族によって考え方が違うはずです。だから、正解も違ってきます。

うちの場合、その答えが「現金と、換金しやすい株」でした。

不動産が悪いのではありません。うちの形に合わなかった、というだけの話です。


9. まとめ

  • 不動産投資は否定していません。むしろ憧れています
  • 利点は4つとも本物。うまくいっている人の資産の加速はすごい
  • それでもやらないのは、よくわからないから
  • 特に苦手なのが流動性の低さ再現性のなさ
  • 自分が死んだあとを考えると、分けられないものは残したくない
  • 残された人が一番困らないのは、わかりやすくて、分けやすくて、管理しやすいもの

不動産で成功している人は、たくさんいると思います。自分にできなかっただけです。

ただ、わからないものにお金を置かないというのは、20年やってきて一番役に立ったルールでした。

そのうち勉強するかもしれません。ハードアセットの話も、いつかしたり顔でやってみたいので。


投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品・不動産投資を推奨・否定するものではありません。相続に関する具体的な取り扱いは、専門家にご確認ください。

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