不動産投資をやらない理由は「よくわからん」です
インデックス投資「不動産投資、やらないんですか?」
たまに聞かれます。
やりません。よくわからないからです。
これだけだと身も蓋もないので、インデックス投資を20年続けてきた人間が、なぜ不動産に手を出さなかったのかを書いておきます。
わからんもんには、お金を置かない。
この記事の目次
- 不動産投資は否定しません。むしろ憧れています
- 利点は、4つとも本物です
- それでもやらない理由は「よくわからん」です
- 特に苦手なのが2つあります
- 自分が死んだときのことを考えると、具合が悪い
- 自分がコントロールできる範囲でしかやりません
- 向こうからやってくる儲かる話に、いい話はない
- やりたいのは、世帯資産の最大化と最適化
- まとめ
1. 不動産投資は否定しません。むしろ憧れています
先に言っておくと、不動産投資を悪いものだとは思っていません。
むしろ、やってみたい投資のひとつです。
夢の賃料暮らし。働かなくても毎月家賃が入ってくる。 憧れます。
それに、ちょっとカッコよく言ってみたいんです。
ペーパーアセットの利回りが◯◯パーセントで、ハードアセットの、あ、ハードアセットというのはね、不動産とかのことなんやけど
こういうのを、したり顔でやりたい。なんとなく地主っぽい感じを出したい。
そういう気持ちは、けっこうあります。
憧れがないわけではありません。むしろ、あります。
2. 利点は、4つとも本物です
一般に言われる不動産投資の利点は、だいたいこの4つです。
| 中身 | |
|---|---|
| 定期的な収入 | 毎月、家賃が入ってくる |
| レバレッジ | ローンを使って、自己資金以上の額を動かせる |
| 節税 | 減価償却などで、課税される所得を圧縮できる |
| インフレ耐性 | 物価が上がれば、家賃も物件価格も上がりやすい |
これはどれも本物だと思っています。
実際、不動産専業の人もいますし、インデックス投資と不動産を組み合わせている人もいます。うまくいっている人の資産の加速には、目をみはるものがあります。
インデックス投資だけでは、あのスピードは出ません。
3. それでもやらない理由は「よくわからん」です
ではなぜやらないのか。
よくわからないからです。
難しそうで、めんどくさそうで、借金が怖い。理由を並べればいくらでも出てきますが、まとめるとここに落ち着きます。
しかも、調べればうまくなれる気がしません。
インデックス投資は、調べれば調べるほど、やることが減っていく投資でした。最後に残ったのは、オルカンを積み立てて放っておくことだけです。
不動産は逆に見えます。調べるほどやることが増えていく。 物件を探して、価格を交渉して、管理会社を選んで、入居者を入れて、修繕して、出口を考える。
持っているだけではダメそうなんです。
そのうえで、もし失敗したときのことを考えると、動けません。
よくわかっていないので、そんな怖いものはやめておきましょう。
これが結論です。
4. 特に苦手なのが2つあります
「よくわからん」の中身を分けていくと、自分が特に苦手なのは2点でした。
流動性が低い
すぐに売れません。
株なら、売りたいと思った日に売れます。オルカンでも数日で現金になります。
不動産はそうはいきません。売ると決めてから現金になるまで、何ヶ月もかかる。しかもいくらで売れるかは、そのときになってみないとわかりません。
20年やってきて、暴落も何度か通りました。そのたびに効いていたのは、売ろうと思えばいつでも売れるという状態そのものでした。
実際には売っていません。売れるとわかっているから、売らずに済んだというほうが近いです。
再現性がない
こちらのほうが、自分にとっては大きい問題です。
オルカンは、誰が買っても同じリターンです。
同じ日に同じ額を買えば、隣の人と自分の結果は同じになります。当たり前のようですが、これはすごいことだと思っています。うまい人と下手な人の差が、ほとんどつきません。
不動産は逆です。同じ物件が、1つもありません。
立地も、築年数も、値段も、入居者も、全部違う。だから、うまくいった人の話を聞いても、そのまま真似できない。成功した本人でさえ、次の物件で同じ結果になるとは限らないはずです。
目利きができたら買っている、という話なんです。
そして自分には、その目利きがありません。というより、インデックス投資は目利きが要らないから続いたのだと思います。
5. 自分が死んだときのことを考えると、具合が悪い
流動性の話と重なりますが、ここは分けて書いておきます。
40代になって、ある程度の資産がある状態になりました。そうなってから、ときどき考えることがあります。
自分が急に死んだら、どうなるのか。
資産が不動産に偏っていたら、これは抜群に具合が悪いです。
分けられません
細かい話は省きますが、相続ではそこにある資産をどう分けるかを決めることになります。
現金なら分けられます。株も、売って分けることも、そのまま分けることもできます。
不動産は分けられません。 建物を半分にはできない。売ろうにも、すぐには売れません。
うちは子どもが3人います。分けられないものが残ると、そこで止まります。
残された人が、詳しいとは限りません
もうひとつ、こちらのほうが心配です。
みんながみんな、投資を勉強しているわけではありません。
うちの場合、嫁はオルカンを積み立てて、あとは見ないというやり方をしています。それで十分うまくいっています。
でも、不動産が残ったらそうはいきません。
「この不動産、どうすんねん」から始まって、いくらが適正なのかもわからないまま処分することになります。足元を見られると思います。 詳しくない人が急いで売るときに、いい値段がつくとは考えにくい。
これは嫁に限った話ではありません。自分だって、いま急に不動産を渡されたら同じことになります。
一番困らないのは、現金と株
そう考えていくと、残された人が困らないのはここに落ち着きます。
- 現金
- すぐに換金できる株などのペーパーアセット
わかりやすい。分けやすい。管理しやすい。
これです。
6. 自分がコントロールできる範囲でしかやりません
20年やって残ったやり方は、これでした。
- 過度なリスクは取らない
- 自分がコントロールできる影響の範囲で動く
- コツコツやる
真ん中が一番大事です。
インデックス投資で、自分で決められることはかなり多いです。
いくら積み立てるか、何を持つか、いつまで続けるか。
相場だけは、自分ではどうにもできません。
不動産はそうではありません。入居者が出ていくかどうか、隣に何が建つか、修繕にいくらかかるか。自分の手の外にある変数が、一気に増えます。
そしてもうひとつ。このやり方には再現性があります。
自分がやったことは、誰でも同じようにできます。証券口座を開いて、オルカンを積み立てて、続けるだけです。そこが気に入っています。
自分には、コツコツが合っていました。
7. 向こうからやってくる儲かる話に、いい話はない
これも書いておきます。
ワンルームマンションの営業電話が、よくかかってきます。
中身を聞くまでもなく、イメージが良くありません。これも不動産に苦手意識を持った理由のひとつです。
20年やってきた経験から言うと、向こうからやってくる儲かる話に、いい話はありませんでした。
そして、ここが一番言いたいところです。
インデックス投資は、向こうからやってきたことが一度もありません。
誰も勧めてきませんでした。銀行は別の商品を勧めてきましたし、証券会社から電話が来たこともありません。
自分で調べて、自分で見つけたものです。口座を開いたころは、周りに証券口座を持っている人すらいませんでした。
勧められて始めたものではない。ここが一番大きいと思っています。
8. やりたいのは、世帯資産の最大化と最適化
ここまで書いてきて、自分がやりたかったことがはっきりしました。
世帯資産の、最大化と最適化です。個人ではなく、家族単位で考えたときの話です。
最大化のほうは、みんな狙っていると思います。増やしたいのは同じです。
違うのは、最適化です。
- 誰が管理するのか
- 自分がいなくなったあと、どうなるのか
- 家族の誰が、どこまで理解しているのか
ここは家族によって考え方が違うはずです。だから、正解も違ってきます。
うちの場合、その答えが「現金と、換金しやすい株」でした。
不動産が悪いのではありません。うちの形に合わなかった、というだけの話です。
9. まとめ
- 不動産投資は否定していません。むしろ憧れています
- 利点は4つとも本物。うまくいっている人の資産の加速はすごい
- それでもやらないのは、よくわからないから
- 特に苦手なのが流動性の低さと再現性のなさ
- 自分が死んだあとを考えると、分けられないものは残したくない
- 残された人が一番困らないのは、わかりやすくて、分けやすくて、管理しやすいもの
不動産で成功している人は、たくさんいると思います。自分にできなかっただけです。
ただ、わからないものにお金を置かないというのは、20年やってきて一番役に立ったルールでした。
そのうち勉強するかもしれません。ハードアセットの話も、いつかしたり顔でやってみたいので。
投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品・不動産投資を推奨・否定するものではありません。相続に関する具体的な取り扱いは、専門家にご確認ください。