FIREは資産だけじゃ計算できない。最初に集めた4つの道具【家計簿・年金・iDeCo】

FIRE・出口戦略

はるか遠くにあったFIREが、うっすら視界に入ってきました。

ここ最近の株高で、普通のサラリーマンでも、あの”夢のFIRE”が現実味を帯びてきたんです。

ここでいう普通のサラリーマンっていうのは、40代の会社員。年収も、40代の平均くらいの、どこにでもいる人間です。

(※40代サラリーマンの平均年収は、全体で約500〜550万円、男性で約600〜630万円…って、すんません、自分は平均より若干下なんですけど。まあ、いいや)

とにかく、ここ最近の株高で、はるか向こうにあったFIREのゴールが、見えてきたわけです。

イメージとしては、自分が必死に近づいた、というより——ゴールのほうが、勝手にグッと手前まで来てくれた感じ。(逆に言えば、株が不調だと、ゴールはどんどん遠のく、ってことでもありますが)

そこで、20年インデックス投資をしてきた自分。「よーし、FIREのシミュレーションをやっちゃうぞ」と、ワックワクで取りかかったわけですよ。

……が、あれ?「道具」みたいなのが、いるんじゃないか。そう、気づきましたね。

つみたていぬ

資産の額だけじゃ、FIREは計算できないよ。っと


この記事の目次

  1. 資産だけじゃ、計算できなかった
  2. 【現在地】いまの資産
  3. 【過去の支出】家計簿
  4. 【未来の収入】年金・iDeCoなど
  5. 【未来の支出】ライフプラン
  6. で、道具は揃った

1. 資産だけじゃ、計算できなかった

いざ始めようとして、最初にわかったこと。FIREって、資産の額だけじゃ計算できないんですよ。

だって、こういうことなんです。

FIREできるか=「今の資産+これから入ってくるお金」で、「これから出ていくお金」を、最後まで賄えるか。

つまり、集めるべき材料は——この4つ。

  • 現在地 … 今の資産(純資産)と、いつ死ぬか(?!)
  • 過去の支出 … 家計簿(傾向と対策)
  • 未来の収入 … 年金・iDeCoなど(少なめに見積もって)
  • 未来の支出 … ライフプラン(できるだけ具体的に)

やけども、結局これ、全部ひとつのライフプランシートに乗ってくるんですけどね。

この4つを、“できるだけ全部”テーブルに乗せる。やることは、シンプルにこれだけ。ひとつずつ見ていきます。


2. 【現在地】資産 …「純資産」で見る

まずは現在地。ただ「投資でいくら」だけじゃなく、現金なども足した”純資産”で見るのがコツ。持ってるもの/引くもの、両方を挙げていきます。

  • 投資資産 … オルカン・VYMなど(NISA・特定・全部)
  • 現金・預金 … 生活防衛資金も含めて
  • 住宅など … 売る前提なら評価額を
  • 配偶者名義の資産 … 世帯で見るなら合算
  • ▲ 負債 … 住宅ローンなどは「引く」

自分の場合、投資(オルカン+VYM)に加えて、現金もそれなりに。ローンみたいな負債があれば、そこは引く。“本当に使える純資産”を掴むのが、スタート地点です。

実際に並べると、こうなりました。

中身金額
投資資産1億547万円(2026年9月)
現金プール800〜1,000万円
企業型DC約2,000万円

投資資産の内訳はオルカン42.1%・VYM39.4%・SMT海外株式18.5%です(投資2,850万円が1億円に。会社員のポートフォリオを全部公開)。現金は生活防衛資金も特別費も混ざった一つの器で持っています(普通の会社員が1億になるまで、銀行口座はこの形でした)。

企業型DCは原則として60歳以降の受け取りなので、いまの生活には使えません。ただ資産ではあるので、現在地としては数えます(『DCは積めるだけ積め』は本当か)。


3. 【過去の支出】家計簿 …家計簿に”載ってる”お金

FIREできるかは、結局「年いくらで暮らせるか」で決まります。この数字、勘で決めちゃダメです。家計簿から掴みます。

掴むのは、大きく2種類。

毎月、決まって出るお金

  • 固定費(住居・保険・通信・サブスク)
  • 変動費(食費・日用品・娯楽・交際費・医療)

不定期に、たまに出るお金 ←ここが落とし穴

  • 年1回・数年に1回(車検・火災保険・家電・帰省・冠婚葬祭)

FIREの生活費、つい”毎月”だけで計算しがちですが、本当に抜けるのは”不定期”のほうです。車検も、家電の買い替えも、帰省も、毎月の家計簿には出てこない。でも年で見たら、確実に出ていく。

ここで効くのが、家計簿10年です。1〜2年だと、この不定期費がたまたま入ってたり抜けてたりでブレる。でも10年分あれば、ぜんぶ”年平均”にならせる。「うちは不定期費も込みで、年◯万で回ってる」——この数字が、勘じゃなく事実になる。

過去の支出は、未来の支出のいちばん確かな土台です。

自分の場合、家計簿は2005年からつけているので、20年以上あります。ならすと年250万円、最近は年300万円ほどです。月にすると25万円くらい。FIREの計算には、いまの300万円のほうを入れています(新NISA出口戦略)。

この300万円が、あとの計算で何度も出てきます。FIREの計算は、結局この1つの数字で決まると言ってもいいくらいです。


4. 【未来の収入】年金・iDeCoなど …「これから入ってくるお金」

次は、これから入ってくるお金。ここを入れ忘れると、「必要資産」を多く見積もりすぎてしまいます。思いつくものを挙げていくと——

  • 公的年金 … 受け取りは原則65歳〜(ねんきん定期便で詳細チェック)
  • iDeCoや企業型DCなどの老後資産 … 原則として60歳以降の受け取りになる。残高と受け取り見込み
  • 退職金 … 会社員なら規程で見込みを
  • 個人年金・貯蓄型保険 … 将来の収入として(解約するなら”今の資産”に回してもOK)
  • 配偶者の年金・iDeCo・退職金など … 世帯で見るなら忘れずに

公的年金が年◯万あると分かれば、その分、自分の資産で埋める額が減る。iDeCoや退職金は、60歳前後に入る”まとまったお金”。

個人年金・貯蓄型保険は、個人的にはおすすめしてない派なんですが(インデックスのほうが…という理由)、すでに持ってるなら、好き嫌いは別として計算には入れるべき。使える収入は、全部乗せる。それが鉄則です。

(※あと、FIREする前に「まだ働く期間」がある人は、その間の年間貯蓄額も、立派な道具のひとつ。手取りから生活費を引いた額が、辞めるまでの間、資産にどんどん積み上がります)

(※うちは夫婦なので、世帯(2人分)で計算してます。支出が世帯なら、収入も世帯でそろえないと計算がズレるので)

自分が入れている数字は、こうです。

未来の収入見込み
公的年金(65歳〜)年150万円
企業型DC約2,000万円(60歳前後にまとまって)
VYMの分配金(現在)年60万円ほど

年金は少なめに見ています。VYMの分配金は、いまも年4回入ってきているお金です(VYM分配金、年間60万円の実績公開)。ただし金額は毎年変わりますし、ドル建てなので円換算額は為替で動きます。税金もかかります。将来も60万円が入る前提ではなく、いまの実績を参考値として置いているだけです(VYMのデメリット)。


5. 【未来の支出】ライフプランシート …家計簿に”載らない”お金

③が「家計簿に載ってる、いつもの生活費」なら、こっちは「家計簿にはまだ載ってない支出」。2種類あります。

どかっと来る、一時の大物

  • 教育費 … 特に大学が山(塾・学費の”今の分”は③。ここは”大学の一時金+増える分”だけ)
  • 住宅の修繕・リフォーム … 築年数が進むと、まとまった支出が出ることがある
  • 車の買い替え
  • 子どもへの援助・贈与 … 結婚・住宅資金など
  • 親の介護・自分たちの医療 … 読めないけど頭には置く

FIRE後に、新しく出てくる費用

  • 税金・社会保険料 … 国保・国民年金・住民税。今は給与天引きで載ってないけど、辞めたら自分で毎年払う。盲点
  • ちょっと贅沢な費用 … 旅行など、FIREの楽しみ枠。時間ができる分、増えがち

特に大きいのが、教育費と住居の修繕です。子どもの進学が重なる時期は、支出がドカンと跳ねる。あと持ち家なら、築年数が進んだころの修繕も忘れずに。

うちは子どもが3人で、いま18歳・16歳・14歳です(ジュニアNISAが終わったらどうなる?)。進学がまとめて来る並びなので、ここは厚めに見ておく必要があります。

車も実例があります。積立10年目に300万円の車を買いました(インデックス投資家がハマる罠)。現金プールが大きく減ったのは20年で2回あって、どちらも車でした(普通の会社員が1億になるまで、銀行口座はこの形でした)。毎月の家計簿には出てこない支出です。


6. で、道具は揃った

現在地(資産)、過去の支出(家計簿)、未来の収入(年金・iDeCo)、未来の支出(ライフプラン)。

これで、材料は揃いました。あとは——

「資産+未来の収入」で「未来の支出」を、最後まで賄えるか。

この引き算をするだけ。この道具を実際に使って計算した結果は、資産5000万円でFIREできますか?3年前の自分で答え合わせをしましたに書きました。上に並べた数字を、そのまま入れています。

……とか偉そうに道具を並べてきましたが。

結局、いつ死ぬかわからないから、悩むんですけどね。

【枠外メモ①】子ども名義のNISA

うちは3人で720万を投資してますが、これは”あげたお金”。FIRE計算からは切り離すのが正解です。資産に入れると「使う予定のお金を、使わない資産」として二重に数えることになるので。(詳しくは→子供のNISA、わが家は720万円を3人に投資した話)

【枠外メモ②】相続まわり:遺産と葬儀費用

数字の上では「遺産が入るかも」という人もいると思います。ただ時期も金額も読めないので、基本は計算に入れず枠外に。逆に、葬儀費用や相続の手続きコストは、出ていく側として一応別枠で。もらう話と払う話、両方あるのが相続まわりです。(ポイント:二次相続というものもあります。ここはメモだけ。詳しくは調べてみてください)

(そもそも「何%取り崩していいの?」が気になる人は→“4%ルール”が4.7%に?/「4%ルール」私が勘違いしていた話)


投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。

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