暴落で眠れなかったことが、一度もありません【20年で、たぶん4回】

暴落・投資マインド

暴落の記事は、たいてい「怖かった」「眠れなかった」から始まります。

20年やっていると、暴落は何度も来ます。大きいものだけで、たぶん4回。正直、はっきり数えられません。

一度も、眠れなくなったことがありません。

叫んだこともないし、頭から離れなくなったこともない。多少ざわつくことはありますが、その日の夜はふつうに寝ています。

自慢ではありません。たぶん、悩んでいる中身が違うだけです。

つみたていぬ

ざわつくんやけど、悩んでる内容がしょうもないねん。

この記事の目次

  1. 世間の暴落と、自分の暴落は違います
  2. それでも記憶に残っているのは、4回くらい
  3. ざわつくときの、頭の中を書き出します
  4. 本当の暴落は、静かです
  5. まとめ

1. 世間の暴落と、自分の暴落は違います

そもそも、数えられない理由があります。

世間が言う暴落と、自分にとっての暴落が、別物だからです。

何を見ているか
世間の暴落指数が何%下がったか。名前がつく
自分の暴落資産がいくら減ったか。名前はつかない

この2つは、ぜんぜん一致しません。

リーマンショックは、世間的には歴史的な暴落です。自分も損益率は-40.48%まで落ちました。でも当時は投資額が小さかったので、金額にすると大したことがありません。

逆に2025年の関税ショックは、世間的には「まあまあの下落」くらいの扱いでした。でも自分の資産は784万円減りました。金額なら、リーマンよりはるかに大きい。

資産が増えるほど、世間が騒がない下落で、自分だけ大きく減ります。

だから「暴落を何回経験したか」と聞かれても、基準が定まりません。世間の名前で数えるか、自分の減った金額で数えるかで、答えが変わります。

まあ、実際は売却しないんで、減ってはないんですけどね。

たぶん、気づいていない暴落があります

もうひとつ、身も蓋もない理由があります。

自分が資産を見るのは、月に1回、月初の5分だけです(→年間11時間、記録を続けました)。

つまり、こういうことが起こりえます。

いつ損益率自分
1日100%見た
15日80%見ていない
30日100%見た

この暴落は、自分の記録に存在しません。

途中で2割減っていたとしても、気づいていない。あとで記録を見返しても、グラフは平らなままです。

一応、楽天ポイントを100ポイントだけ運用に入れていて、それを相場の温度計にしています。アプリを開いたときに増減が目に入るので、「なんか減っとるな」とは感じているかもしれません。その仕組みは784万円減っても動かずに書きました。

でも、それだけです。

自分にとっての暴落は、月初に見たときにだけ起きがちです。

だから正直、気づかないまま通り過ぎた暴落が、けっこうあるんじゃないかと思っています。

つまり、2〜3ヶ月かけて減るものが「暴落」です

逆に言うと、条件がはっきりします。

月次の記録で、2ヶ月、3ヶ月と減り続けたとき。そこで初めて「あ、これは暴落やな」と認識します。

コロナが、まさにそうでした。

2020年2月3月4月5月
損益率+90.13%+74.98%+50.69%+60.24%

記録の上では、2月初から4月初にかけて下がっています。2ヶ月です。

ただ、実際の相場はもっと短かったはずです。2月の後半に崩れて、3月の下旬には底を打っていました。自分は月初にしか見ていないので、2月初の記録は下落前、4月初の記録は底の直後。結果として、1ヶ月ちょっとの暴落が2ヶ月に引き伸ばされて見えていたわけです。

そして皮肉なことに、2ヶ月に見えたからこそ、月1回しか見ない自分でも気づけました。だから動けたわけです。

ゆっくり落ちる暴落にしか、反応できません。

裏を返すと、1ヶ月で終わる急落には、まず反応できないということです。気づいたときには、もう戻っています。


2. それでも記憶に残っているのは、4回くらい

それでも記憶に残っているのは、この4回くらいです。

いつ何が起きたか自分がしていたこと
2008年リーマンショック(-40.48%)ラスベガスに研修に行っていた
2011年東日本大震災特に何もしなかった
2020年コロナショック(+90%→+50%)チャンスだと思って買い増した
2025年関税ショック(-784万円)チャンスと思う前に終わった

リーマンのときは、会社の研修でちょうどラスベガスにいました。世界的な金融危機の真っ最中に、です。街は普通に明るくて、カジノも賑やかでした。その時期の記録はインデックス投資を20年続けた結果【前編】に全部残しています。

コロナのときは、逆に動きました。SPXLまで買っています。その記録はコロナショックで3倍レバレッジを買った話に書きました。

2025年の関税ショックでは、784万円が消えました。 それでも、記録すら残していません。気づいたら終わっていました。その話は784万円減っても動かずにあります。

これも、実際は売却しないんで、減ってはないんですけどね。

4回とも、その期間はふつうに寝ています。

なぜ動じないのかは暴落が来ても売らないに書いたので、そちらを読んでください。生活口座と投資口座を分けていることと、プラスを知る前にマイナスから始まったことが大きいと思っています。


3. ざわつくときの、頭の中を書き出します

とはいえ、まったく動じないわけではありません。

ざわつくことはあります。ただ、その中身がこれです。

おいおい、車買えるぐらい資産減っとるやんけ。

うーん、買い増しってありかなー。
タイミングは読めへんけどなー。

VYMは利回り4%超えてきたら買うんやけどなー。
でもそうすっと、オルカンも下げてるから買い時なんやなー。

悩ましいところやわー。つーか、買うならどれぐらい資金入れようかなー。

うーん、世間が騒いでるけどー、もうちょっと待ちかなー。

そして。

二日後、上がっとるやんけ!!

だいたい、これで終わります。

悩みの向きが、逆なんだと思います

眠れなくなる人は、たぶん「売るべきか」で悩んでいます。

自分が悩んでいるのは「買うべきか」です。

同じ暴落を見ていても、片方は損切りの判断、もう片方は買い物の相談です。買い物の悩みで眠れなくなる人は、あまりいないと思います。

セールの日に、何を買うか迷っているのと同じです。

しかも自分の場合、迷っているうちに相場が戻って、結局買えずに終わることがほとんどです。緊張感がありません。

ざわつくなら、リスクの取りすぎ?

別の記事で、こう書きました。

暴落の最中に心がざわつくなら、それはリスクを取りすぎているサイン(→暴落が来ても売らない

でも、自分はざわつきます。矛盾しています。

たぶん、基準が2段階あるんだと思います。

状態中身
ざわつくセールを前にした買い物の悩み。これは健全
眠れない生活のほうが揺れている。これはリスクの取りすぎ

眠れなくなったら、リスクを減らしたほうがいいと思います。

ざわつくのはいい。眠れなくなったら、多すぎます。

自分はまだ、そこまで行っていません。


4. 本当の暴落は、静かです

ここからが、この記事でいちばん書きたかったところです。

暴落というと、SNSが阿鼻叫喚になっている状態を思い浮かべると思います。「終わった」「損切りしました」「もうやめます」という投稿が並ぶ、あの感じです。

あれは、まだです。

みんなが騒いでいるうちは、まだ底ではありません。感覚としては、阿鼻叫喚が出てきたあたりから、ようやく買っていくくらいです。

その先に、無風が来ます

本当にしんどいのは、その後です。

誰も相場の話をしなくなります。

盛り上がりもしないし、嘆きもしない。SNSに流れてこない。無風、無味。 投資の話題そのものが、消えます。

リーマンのあとの2〜3年が、まさにそれでした。

騒いでいる時期は、実はまだ人の関心が残っています。関心が完全に消えたときが、本当の底です。

例えるなら、いまのビットコインです

分かりやすい例があります。

いまのビットコインです。

2〜3年前は、あれだけ騒がれていました。SNSでも毎日流れてきた。それがいまは、ほとんど見かけません。一部の人だけが黙って続けている、という感じに見えます。

あの空気です。暴落の底というのは、ああいう温度をしています。

念のため書いておきます。
ビットコインが上がるという話では、まったくありません。

ビットコインは分散でも、世界経済の成長でもありません。再現性という意味では、インデックス投資とはまったく別のものです。今後どうなるかも、自分には分かりません。自分が楽天ポイントで買ったビットコインも、1億あっても、1ポイント拾ってますに書いたとおり、-29.5% です。

あくまで「空気の例え」として、あれが分かりやすいという話です。


5. まとめ

  • 20年で4回、大きな暴落を経験しました
  • 一度も眠れなくなったことがありません
  • ざわつくことはあります。でも中身は、「買おうかな、どうしようかな」です
  • そして迷っているうちに、だいたい戻ります
  • 眠れない人とは、悩みの向きが逆なんだと思います
  • SNSが阿鼻叫喚のうちは、まだ底ではありません
  • 誰も相場の話をしなくなったとき。無風、無味。あれが本当の暴落です

相場は見ない、聞かない、話さない。

……はい、できません。多少はざわつきます。

でも、眠れなくなったことは一度もありません。


投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品を推奨するものではありません。相場の見通しを示すものでもありません。

← 記事一覧に戻る