新NISAの成長投資枠、私は高配当をやめました【1,800万を全部オルカンにした計算】

新NISA・制度

つみたて投資枠は、もうオルカンでいいと思うんです。

問題は成長投資枠です。個別株もETFも買えます。選択肢が多すぎます。

ここは私も、一応悩みました。

積立でしっかり堅実にやりつつ、成長投資枠でちょっと冒険する。ここで一発当てたら、でかいですよね。わかります。

そして本気で検討したのが、高配当株投資でした。配当に税金がかからない。作戦としてすごくいいと思います。

でも、やめました。理由は4つあります。

つみたていぬ

1周か2周回って、結局オルカンに戻ってきたんだわ。

この記事の目次

  1. つみたて投資枠は、オルカンでいい
  2. 問題は成長投資枠です
  3. 昔の私なら、ここで全部やらかしていました
  4. 再現性では、インデックスに勝てません
  5. 「市場に残るなら高配当でええやん」を検討しました
  6. 1,800万円の非課税は、それぐらい強い
  7. もし将来、スイッチングができたら
  8. 1周か2周回って、結局オルカンです
  9. まとめ

1. つみたて投資枠は、オルカンでいい

ここは、あまり悩む必要がないと思っています。

これから始める人も、ちょっと調べたら出てきますよね。オルカン。

投資の最適解かどうかは人によるかもしれません。でも、投資にあまり時間を使わないタイプなら、オルカンです。

理由は再現性です。

自分は20年インデックス投資を続けてきました。その20年、ちゃんと増えました。 特別なことは何もしていません。買って、持って、それだけです。

同じことを誰がやっても、だいたい同じ結果になる。それが再現性です。この記録はインデックス投資を20年続けた結果に全部書きました。


2. 問題は成長投資枠です

つみたて投資枠と成長投資枠の違いを整理します。

年間上限生涯の上限買えるもの
つみたて投資枠120万円1,800万円まで金融庁が認めた投資信託のみ
成長投資枠240万円1,200万円まで個別株・ETF・投資信託

つみたて投資枠は、買えるものが絞られています。選択肢が少ないから、迷いません。

成長投資枠は違います。個別株も買えるし、ETFも買えます。

この自由さが、「何を買えばいいかわからない」を生みます。

レバレッジは、買えません

ひとつ制度の話を挟みます。

成長投資枠には、買えないものがあります。金融庁の説明にはこう書かれています。

整理・監理銘柄/信託期間20年未満、毎月分配型の投資信託およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託等を除外

つまり、レバレッジ型は成長投資枠では買えません。暗号資産も、そもそもNISAの対象外です。

なお「一定の」という限定が付いているので、個別の商品が対象かどうかは、証券会社の対象商品リストで確認してください。ここは商品ごとに判定が違います。


3. 昔の私なら、ここで全部やらかしていました

20年前の自分が、いまの成長投資枠を渡されていたら、間違いなく散らかしていました。

実際にやらかしています。

いつ何をどうなったか
リーマン前後13銘柄をバラバラに整理に10年以上かかった
同じころ「これからはロシアやな」黒歴史
2020年コロナでSPXL結果はプラス。これは良しとしてる
2010年代日本債券インデックス55万円の損
最近楽天ポイントでビットコイン-29.5%

それぞれ投資初期のポートフォリオを晒すコロナショックで3倍レバレッジを買った話日本債券インデックスで55万円損した話1億あっても、1ポイント拾ってますに書きました。

制度が、昔の私を守ってくれています

ここで面白いことに気づきました。

このうち2つは、いまのNISAでは買えません。

  • SPXL … レバレッジ型なので、成長投資枠から除外されている
  • ビットコイン … 暗号資産はNISAの対象外

制度が、昔の私みたいな人間を守ってくれているわけです。

ちなみに「ロシアやな」で買ったようなファンドは、制度うんぬん以前に、いまは見当たりません。

でも13銘柄バラバラも、日本債券も、いまでも成長投資枠で買えます。

自由な枠には、まだ十分やらかす余地があります。

そして散らかすのは一瞬ですが、戻すのは大変です。自分は片づけに10年以上かかりました。 その記録はポートフォリオの大掃除にあります。

しかも売るときには税金がかかります。含み益が育っているほど重くなります。この話は特定口座を新NISAへ移し替えたら得なのかに書きました。


4. 再現性では、インデックスに勝てません

やらかしを一通りやって、たどり着いた結論です。

長く続けること。市場に何がなんでも残ること。

自分の資産のリターンを底上げしてくれたのは、結局これでした。当てにいった投資ではありません。

一発当てたい気持ちはわかります。当たればでかいです。でも再現性がありません。 次も同じようにやって、同じ結果になる保証がない。

インデックス投資は違います。買って、持って、市場に残る。 これだけです。20年やった実績があるから、そう言えます。


5. 「市場に残るなら高配当でええやん」を検討しました

ここからが本題です。

「長く市場に残ることが大事なんやろ。ほな高配当株投資やないかい。

わかります。自分も考えました。

配当をもらい続けるなら、売らずに市場に残ります。しかもNISAなら配当に税金がかかりません。 通常なら20.315%引かれるものが、まるまる手元に入ります。

この作戦、すごくいいと思います。

でも、考え抜いた結果やめました。理由は4つです。

理由1:枠が足りません

成長投資枠の上限は1,200万円です。

仮に全部を高配当に使って、利回り5%だとします。

1,200万円 × 5% = 年60万円。

悪くはありません。でも5%はかなりよく見積もった数字です。そして、もうちょっと配当が欲しいところです。

しかも問題はここからです。成長投資枠を1,200万円ぜんぶ高配当に使うと、インデックスで複利を回せるのは、残り600万円だけになります。

枠が寂しくなります。

計算してみました。前提は年6.5%。高配当は利回り5%を受け取って使い、株価の成長は年1.5%としています。配当込みのリターンを、オルカンと同じ6.5%に揃えるためです。

高配当ルート全部オルカン
10年後3,161万円3,379万円+218万円
20年後5,118万円6,343万円+1,225万円
30年後8,097万円1億1,906万円+3,809万円

※高配当ルートは「成長枠1,200万を高配当・つみたて枠600万をオルカン」。配当は受け取って使う前提です。

ただし、この差は前提の置き方で変わります。 配当を全額再投資するなら、両ルートの差はほとんど消えます。

つまりこれは「高配当が劣っている」という話ではありません。

まだ使わないお金なら、複利に全部回したほうが効く。それだけの話です。

理由2:タイミングが測れません

高配当株は、利回りを見て買わないと意味がありません。株価が高いときに買うと、利回りが下がります。

でも成長投資枠は年240万円と区切られています。

安いときにまとめて買いたくても、枠がありません。枠に合わせて買うと、タイミングを外します。ここが噛み合いません。

インデックスなら、この悩みが消えます。いつ買っても、長く持てばいいだけです。

理由3:日本の高配当ETFに、いいのがありません

「じゃあ日本の高配当ETFで」と思って探しました。

これが、ないんです。

信託報酬、分散、規模。どれかが物足りない。結局、VYMのような海外ETFに行き着きます。

理由4:海外ETFは、外国税で非課税を活かしきれません

これが決め手でした。

米国ETFの配当には、米国で10%の源泉税がかかります。日本の税金の前に、先に引かれます。

問題はここからです。

NISA口座では、この米国税を取り戻せません。

特定口座なら、確定申告で外国税額控除を使って一部が戻ってきます。自分も実際に戻しました。その話はVYMで確定申告したら年4万円戻ってきたに書きました。

でもNISAは日本の税金がゼロなので、控除する相手がいません。だから米国税は取られっぱなしになります。

金額にするとこうです。

前提配当米国税手取り
1,200万円・利回り3%36.0万円3.6万円32.4万円
1,200万円・利回り3.5%42.0万円4.2万円37.8万円

年3.6万円です。小さく見えますが、積み上がります。

  • 10年で 36万円
  • 20年で 72万円
  • 30年で 108万円

せっかくの非課税枠なのに、毎年こぼれ続けます。

自分の性格だと、数年で「税金もったいないわー」と絶対に感じます。感じながら20年持つのは、しんどいです。

というわけで、成長投資枠で海外ETFを買うのは、なしという結論になりました。

特定口座のVYMは、いまも持っています

念のため書いておきます。

高配当そのものを否定しているわけではありません。自分は特定口座でVYMを持ち続けていますし、分配金は毎年しっかり入ってきます。その記録はVYM分配金、年間60万円の実績公開にあります。

非課税枠の中でやるかどうか、という話です。ここは分けて考えています。

高配当株投資そのものの比較はインデックス投資と高配当株投資、どっちがいいかに書きました。


6. 1,800万円の非課税は、それぐらい強い

高配当をやめたもうひとつの理由が、これです。

1,800万円を全部インデックスに入れて、複利で回したときの爆発力が、想像以上でした。

年6.5%で計算しました。

資産増えた分特定口座なら払う税金
10年後3,379万円1,579万円321万円
20年後6,343万円4,543万円923万円
30年後1億1,906万円1億106万円2,053万円

1,800万円を年6.5%で運用した場合の資産と、非課税で払わずに済む税金


30年後の節税額が2,053万円。

つまり1,800万円の非課税枠は、それ自体が2,000万円の価値を持っています。

※年6.5%で運用できた場合の試算です。相場次第で結果は変わります。

自分は2028年に1,800万円を埋め終わる予定です。埋め方は年360万円は用意できません。新NISAの半分は、売却で埋めていますに書きました。

そこから先は、触らずに置いておくだけです。


7. もし将来、スイッチングができたら

ここからは完全に仮定の話です。

いまのNISAにはスイッチング(非課税のまま中身を入れ替える仕組み)がありません。売れば枠は翌年復活しますが、戻るのは買ったときの金額ぶんだけです。

でも、もし将来の制度改正でスイッチングができるようになったら。

成長投資枠の1,200万円をオルカンで持っていると、年6.5%なら約20年で4,000万円になります。

それを配当3%の商品に切り替えられたら。

切り替え後の利回り年間の配当
3.0%120万円
3.5%140万円

夢がありませんか。

もちろん制度がそうなる保証はどこにもありません。ただ、いまオルカンで持っておけば、その可能性を捨てずに済みます。

オルカンなら、あとから選び直す自由が残ります。


8. 1周か2周回って、結局オルカンです

まとめると、こういう道のりでした。

  1. つみたて投資枠はオルカンでいい。ここは迷わない
  2. 成長投資枠は自由。一発当てたい気持ちもあった
  3. でも昔さんざんやらかして、再現性の大事さを知った
  4. 「市場に残るなら高配当では」と本気で検討した
  5. 枠が足りない・タイミングが測れない・いいETFがない・外国税でこぼれる
  6. 1,800万円を全部複利に回したときの威力が、想像以上だった
  7. 結局、オルカン

遠回りしましたが、納得しています。

ちなみに嫁は、いまのところは積立枠だけです。枠に収まらなくなってきたら(当分先ですが)、成長投資枠もオルカンの予定です。投資に特に興味はありませんが、それでいいと思っています。


9. まとめ

  • つみたて投資枠はオルカンでいい。再現性が高いから
  • 成長投資枠は自由。だからこそ危ない
  • レバレッジ型と暗号資産は、そもそも買えません。制度に守られています
  • 高配当は本気で検討した。でも枠が足りず、タイミングも測れず、外国税でこぼれる
  • 1,800万円を全部複利に回すと、30年で2,053万円の節税になります
  • 結局、成長投資枠もオルカンにしました

成長投資枠は、あえて何もしない枠にしました。つみたて投資枠と同じものを、同じように買うだけです。

つまらない結論だと思います。でも20年やって、つまらないほうが強かったです。

一発当てにいくより、市場に残り続けるほうが、結局よく増えました。


投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品・制度を推奨するものではありません。制度の内容は2026年8月時点のもので、対象商品の可否は証券会社によって異なります。試算は一定の利回りを前提に置いたもので、将来の運用成果を保証するものではありません。

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