新NISAの成長投資枠、私は高配当をやめました【1,800万を全部オルカンにした計算】
新NISA・制度つみたて投資枠は、もうオルカンでいいと思うんです。
問題は成長投資枠です。個別株もETFも買えます。選択肢が多すぎます。
ここは私も、一応悩みました。
積立でしっかり堅実にやりつつ、成長投資枠でちょっと冒険する。ここで一発当てたら、でかいですよね。わかります。
そして本気で検討したのが、高配当株投資でした。配当に税金がかからない。作戦としてすごくいいと思います。
でも、やめました。理由は4つあります。
1周か2周回って、結局オルカンに戻ってきたんだわ。
この記事の目次
- つみたて投資枠は、オルカンでいい
- 問題は成長投資枠です
- 昔の私なら、ここで全部やらかしていました
- 再現性では、インデックスに勝てません
- 「市場に残るなら高配当でええやん」を検討しました
- 1,800万円の非課税は、それぐらい強い
- もし将来、スイッチングができたら
- 1周か2周回って、結局オルカンです
- まとめ
1. つみたて投資枠は、オルカンでいい
ここは、あまり悩む必要がないと思っています。
これから始める人も、ちょっと調べたら出てきますよね。オルカン。
投資の最適解かどうかは人によるかもしれません。でも、投資にあまり時間を使わないタイプなら、オルカンです。
理由は再現性です。
自分は20年インデックス投資を続けてきました。その20年、ちゃんと増えました。 特別なことは何もしていません。買って、持って、それだけです。
同じことを誰がやっても、だいたい同じ結果になる。それが再現性です。この記録はインデックス投資を20年続けた結果に全部書きました。
2. 問題は成長投資枠です
つみたて投資枠と成長投資枠の違いを整理します。
| 年間上限 | 生涯の上限 | 買えるもの | |
|---|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 1,800万円まで | 金融庁が認めた投資信託のみ |
| 成長投資枠 | 240万円 | 1,200万円まで | 個別株・ETF・投資信託 |
つみたて投資枠は、買えるものが絞られています。選択肢が少ないから、迷いません。
成長投資枠は違います。個別株も買えるし、ETFも買えます。
この自由さが、「何を買えばいいかわからない」を生みます。
レバレッジは、買えません
ひとつ制度の話を挟みます。
成長投資枠には、買えないものがあります。金融庁の説明にはこう書かれています。
つまり、レバレッジ型は成長投資枠では買えません。暗号資産も、そもそもNISAの対象外です。
なお「一定の」という限定が付いているので、個別の商品が対象かどうかは、証券会社の対象商品リストで確認してください。ここは商品ごとに判定が違います。
3. 昔の私なら、ここで全部やらかしていました
20年前の自分が、いまの成長投資枠を渡されていたら、間違いなく散らかしていました。
実際にやらかしています。
| いつ | 何を | どうなったか |
|---|---|---|
| リーマン前後 | 13銘柄をバラバラに | 整理に10年以上かかった |
| 同じころ | 「これからはロシアやな」 | 黒歴史 |
| 2020年 | コロナでSPXL | 結果はプラス。これは良しとしてる |
| 2010年代 | 日本債券インデックス | 55万円の損 |
| 最近 | 楽天ポイントでビットコイン | -29.5% |
それぞれ投資初期のポートフォリオを晒す、コロナショックで3倍レバレッジを買った話、日本債券インデックスで55万円損した話、1億あっても、1ポイント拾ってますに書きました。
制度が、昔の私を守ってくれています
ここで面白いことに気づきました。
このうち2つは、いまのNISAでは買えません。
- SPXL … レバレッジ型なので、成長投資枠から除外されている
- ビットコイン … 暗号資産はNISAの対象外
制度が、昔の私みたいな人間を守ってくれているわけです。
ちなみに「ロシアやな」で買ったようなファンドは、制度うんぬん以前に、いまは見当たりません。
でも13銘柄バラバラも、日本債券も、いまでも成長投資枠で買えます。
自由な枠には、まだ十分やらかす余地があります。
そして散らかすのは一瞬ですが、戻すのは大変です。自分は片づけに10年以上かかりました。 その記録はポートフォリオの大掃除にあります。
しかも売るときには税金がかかります。含み益が育っているほど重くなります。この話は特定口座を新NISAへ移し替えたら得なのかに書きました。
4. 再現性では、インデックスに勝てません
やらかしを一通りやって、たどり着いた結論です。
長く続けること。市場に何がなんでも残ること。
自分の資産のリターンを底上げしてくれたのは、結局これでした。当てにいった投資ではありません。
一発当てたい気持ちはわかります。当たればでかいです。でも再現性がありません。 次も同じようにやって、同じ結果になる保証がない。
インデックス投資は違います。買って、持って、市場に残る。 これだけです。20年やった実績があるから、そう言えます。
5. 「市場に残るなら高配当でええやん」を検討しました
ここからが本題です。
「長く市場に残ることが大事なんやろ。ほな高配当株投資やないかい。」
わかります。自分も考えました。
配当をもらい続けるなら、売らずに市場に残ります。しかもNISAなら配当に税金がかかりません。 通常なら20.315%引かれるものが、まるまる手元に入ります。
この作戦、すごくいいと思います。
でも、考え抜いた結果やめました。理由は4つです。
理由1:枠が足りません
成長投資枠の上限は1,200万円です。
仮に全部を高配当に使って、利回り5%だとします。
1,200万円 × 5% = 年60万円。
悪くはありません。でも5%はかなりよく見積もった数字です。そして、もうちょっと配当が欲しいところです。
しかも問題はここからです。成長投資枠を1,200万円ぜんぶ高配当に使うと、インデックスで複利を回せるのは、残り600万円だけになります。
枠が寂しくなります。
計算してみました。前提は年6.5%。高配当は利回り5%を受け取って使い、株価の成長は年1.5%としています。配当込みのリターンを、オルカンと同じ6.5%に揃えるためです。
| 高配当ルート | 全部オルカン | 差 | |
|---|---|---|---|
| 10年後 | 3,161万円 | 3,379万円 | +218万円 |
| 20年後 | 5,118万円 | 6,343万円 | +1,225万円 |
| 30年後 | 8,097万円 | 1億1,906万円 | +3,809万円 |
※高配当ルートは「成長枠1,200万を高配当・つみたて枠600万をオルカン」。配当は受け取って使う前提です。
ただし、この差は前提の置き方で変わります。 配当を全額再投資するなら、両ルートの差はほとんど消えます。
つまりこれは「高配当が劣っている」という話ではありません。
まだ使わないお金なら、複利に全部回したほうが効く。それだけの話です。
理由2:タイミングが測れません
高配当株は、利回りを見て買わないと意味がありません。株価が高いときに買うと、利回りが下がります。
でも成長投資枠は年240万円と区切られています。
安いときにまとめて買いたくても、枠がありません。枠に合わせて買うと、タイミングを外します。ここが噛み合いません。
インデックスなら、この悩みが消えます。いつ買っても、長く持てばいいだけです。
理由3:日本の高配当ETFに、いいのがありません
「じゃあ日本の高配当ETFで」と思って探しました。
これが、ないんです。
信託報酬、分散、規模。どれかが物足りない。結局、VYMのような海外ETFに行き着きます。
理由4:海外ETFは、外国税で非課税を活かしきれません
これが決め手でした。
米国ETFの配当には、米国で10%の源泉税がかかります。日本の税金の前に、先に引かれます。
問題はここからです。
NISA口座では、この米国税を取り戻せません。
特定口座なら、確定申告で外国税額控除を使って一部が戻ってきます。自分も実際に戻しました。その話はVYMで確定申告したら年4万円戻ってきたに書きました。
でもNISAは日本の税金がゼロなので、控除する相手がいません。だから米国税は取られっぱなしになります。
金額にするとこうです。
| 前提 | 配当 | 米国税 | 手取り |
|---|---|---|---|
| 1,200万円・利回り3% | 36.0万円 | 3.6万円 | 32.4万円 |
| 1,200万円・利回り3.5% | 42.0万円 | 4.2万円 | 37.8万円 |
年3.6万円です。小さく見えますが、積み上がります。
- 10年で 36万円
- 20年で 72万円
- 30年で 108万円
せっかくの非課税枠なのに、毎年こぼれ続けます。
自分の性格だと、数年で「税金もったいないわー」と絶対に感じます。感じながら20年持つのは、しんどいです。
というわけで、成長投資枠で海外ETFを買うのは、なしという結論になりました。
特定口座のVYMは、いまも持っています
念のため書いておきます。
高配当そのものを否定しているわけではありません。自分は特定口座でVYMを持ち続けていますし、分配金は毎年しっかり入ってきます。その記録はVYM分配金、年間60万円の実績公開にあります。
非課税枠の中でやるかどうか、という話です。ここは分けて考えています。
高配当株投資そのものの比較はインデックス投資と高配当株投資、どっちがいいかに書きました。
6. 1,800万円の非課税は、それぐらい強い
高配当をやめたもうひとつの理由が、これです。
1,800万円を全部インデックスに入れて、複利で回したときの爆発力が、想像以上でした。
年6.5%で計算しました。
| 資産 | 増えた分 | 特定口座なら払う税金 | |
|---|---|---|---|
| 10年後 | 3,379万円 | 1,579万円 | 321万円 |
| 20年後 | 6,343万円 | 4,543万円 | 923万円 |
| 30年後 | 1億1,906万円 | 1億106万円 | 2,053万円 |

30年後の節税額が2,053万円。
つまり1,800万円の非課税枠は、それ自体が2,000万円の価値を持っています。
※年6.5%で運用できた場合の試算です。相場次第で結果は変わります。
自分は2028年に1,800万円を埋め終わる予定です。埋め方は年360万円は用意できません。新NISAの半分は、売却で埋めていますに書きました。
そこから先は、触らずに置いておくだけです。
7. もし将来、スイッチングができたら
ここからは完全に仮定の話です。
いまのNISAにはスイッチング(非課税のまま中身を入れ替える仕組み)がありません。売れば枠は翌年復活しますが、戻るのは買ったときの金額ぶんだけです。
でも、もし将来の制度改正でスイッチングができるようになったら。
成長投資枠の1,200万円をオルカンで持っていると、年6.5%なら約20年で4,000万円になります。
それを配当3%の商品に切り替えられたら。
| 切り替え後の利回り | 年間の配当 |
|---|---|
| 3.0% | 120万円 |
| 3.5% | 140万円 |
夢がありませんか。
もちろん制度がそうなる保証はどこにもありません。ただ、いまオルカンで持っておけば、その可能性を捨てずに済みます。
オルカンなら、あとから選び直す自由が残ります。
8. 1周か2周回って、結局オルカンです
まとめると、こういう道のりでした。
- つみたて投資枠はオルカンでいい。ここは迷わない
- 成長投資枠は自由。一発当てたい気持ちもあった
- でも昔さんざんやらかして、再現性の大事さを知った
- 「市場に残るなら高配当では」と本気で検討した
- 枠が足りない・タイミングが測れない・いいETFがない・外国税でこぼれる
- 1,800万円を全部複利に回したときの威力が、想像以上だった
- 結局、オルカン
遠回りしましたが、納得しています。
ちなみに嫁は、いまのところは積立枠だけです。枠に収まらなくなってきたら(当分先ですが)、成長投資枠もオルカンの予定です。投資に特に興味はありませんが、それでいいと思っています。
9. まとめ
- つみたて投資枠はオルカンでいい。再現性が高いから
- 成長投資枠は自由。だからこそ危ない
- レバレッジ型と暗号資産は、そもそも買えません。制度に守られています
- 高配当は本気で検討した。でも枠が足りず、タイミングも測れず、外国税でこぼれる
- 1,800万円を全部複利に回すと、30年で2,053万円の節税になります
- 結局、成長投資枠もオルカンにしました
成長投資枠は、あえて何もしない枠にしました。つみたて投資枠と同じものを、同じように買うだけです。
つまらない結論だと思います。でも20年やって、つまらないほうが強かったです。
一発当てにいくより、市場に残り続けるほうが、結局よく増えました。
投資は自己責任でお願いします。この記事は特定の金融商品・制度を推奨するものではありません。制度の内容は2026年8月時点のもので、対象商品の可否は証券会社によって異なります。試算は一定の利回りを前提に置いたもので、将来の運用成果を保証するものではありません。